まれた月ごとに、ひとつの宝石が寄り添っている――誕生石という考え方には、どこか物語めいた優しさがあります。自分の月の石を知ると、宝飾店の店先や図鑑のページが、少しだけ自分ごとになる。今日は、十二の月の石に伝わる言い伝えと、その楽しみ方のお話です。

誕生石はどこから来たのか

誕生石の起こりには諸説あります。旧約聖書に登場する十二の宝石に由来するという説や、十二の石を月ごとに身につける風習が近世のヨーロッパで宝石商によって広められたという説が知られています。いずれにしても「十二の石をめぐりの数に重ねる」という見立てが、暦や星座と同じように人々の心をとらえてきたことは確かなようです。

大切なのは、誕生石の一覧が国や時代によって少しずつ異なるということ。日本の一覧にも複数の石が挙げられている月があり、「これが唯一の正解」というものではありません。一覧の揺らぎも含めて、おおらかに楽しむのがこの文化との良い付き合い方です。

十二か月の石と言い伝え

広く親しまれている石と、それぞれに伝わる石言葉をご紹介します。いずれも言い伝えとして楽しんでいただくものです。

誕生石の楽しみ方

誕生石は、高価な宝飾品でなければ意味がない、というものではありません。小さなタンブル(磨き石)をひとつ机に置く、誕生月の石の色を小物に取り入れる、大切な人への贈り物にその人の月の石を選ぶ――そんな軽やかな取り入れ方で十分に楽しめます。贈り物の場合は「あなたの月の石なんだって」という一言そのものが、何よりの心づかいになります。

また、自分の月以外の石に心惹かれたなら、それを選んでかまいません。石との付き合い方に堅苦しい決まりはなく、直感で「好き」と思えることがいちばんの相性だとも言われています。石選びの考え方は、パワーストーンの選び方で詳しくご紹介しています。

十二の石は、十二の月に立てられた小さな道しるべです。自分の月の石をひとつ知っておくだけで、季節の巡りがほんの少し、宝石の輝きを帯びて見えてくるはずです。